相続手続きをしなかった場合、リスクやデメリットはある?

借金がある場合返済義務を負ってしまう

 相続は、故人から遺された財産や負債が家族や他の相続人に引き継がれる手続きです。もしも、この相続手続きをしなかった場合にはどのような影響があるのでしょうか。
この記事では相続手続きをしなかった場合の影響やリスク・デメリットについて解説します。

 まず、相続財産には預貯金や不動産・株式などの財産だけではなく借金などの負債も受け継ぐため、借金がある場合にはその返済義務を負う義務が発生いたします。
 相続税には何も手続きをしない場合は、故人の相続財産を無条件で全て相続する単純承認という手続きがあるため、手続きを放置してしまうと自動的に単純承認をしたことになり、借金を受け継ぐリスクがあります。


株式・預貯金などの資産の相続権利が消滅する

 次に、相続財産に株式や預貯金があり手続きをされなかった場合について解説します。
 上場株式の場合は、通常故人から名義を変更し、所有株式を移管する手続きを行いますが、手続きを放置し、証券会社からの通知や配当金の受け取りもないまま5年間が経過すると、株主所在不明と判断され、発行会社に買い取られてしまい、売却される可能性があります。
この配当金や売却代金も受取ることが出来なくなってしまいます。
預貯金の場合、金融機関は故人名義の預金口座を相続が確定するまで凍結しておりますが、預貯金は法律上の性質は「債権」であるため、長期間放置することによって消滅時効にかかり、預貯金を請求する権利が消滅する可能性があります。

 また、預貯金口座を放置していると休眠口座へ移される可能性もあります。この場合、金融機関内での調査に時間がかかり、別途で費用請求を受ける可能性もあります。

相続税が発生している場合は、延滞税も発生する

 相続税は遺産総額から基礎控除分(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えている場合に発生します。
相続税が発生している場合、相続開始を知った日の翌日から10カ月以内に申告と納税が必要になり、相続税を放置していると延滞税や無申告加算税が加算されることになります。

 また、手続きを放置し、納税が先延ばしになると税務当局より財産を差し押さえられるリスクがあるため、相続が発生した場合は早めの相続手続きを行うことが重要になります。

さまざまな請求の権利を失ってしまう

 相続人には財産を不当に侵害されないよう民法で定められた権利を持っています。これらは相続手続きを放置すると権利を行使する機会を逸してしまいます。

<遺留分侵害額請求>
遺留分とは、故人の財産のうち、法律で相続人に保障される一定の割合のことを指します。
故人が遺留分の割合を超える贈与や遺言を行い、相続人の遺留分が不足してしまった場合や特定の相続人に対して不当に多額の贈与や遺産の譲渡を行い、他の相続人の遺留分を不当に減少させて侵害している場合に相手に対して返還請求を行うことができる権利が遺留分侵害額請求です。
この請求は相続開始と遺留分の侵害を知った日から1年以内、遺留分の侵害を知らなかったとしても相続開始日から10年後には時効になります。

<相続回復請求権>
 相続回復権とは、相続人ではないのに相続人であるかのように振舞う人に対し、真正な相続人が相続財産の取戻を請求する権利です。
 これは個別の財産ではなく、包括的に遺産全体の返還を請求できる権利です。
この請求は相続人またはその法定代理人が、相続権を侵害された事実を知った時から5年経過した場合または相続権の侵害を知らずに、相続開始から20年経過した場合に時効となります。

<取戻権>
相続税では相続人が複数いる場合、相続財産は共有となります。遺産分割協議を行う前でも共同相続人は第三者に相続分を譲渡することができます。しかし、それを望まない相続人がいる場合、譲り受けた人からその相続分を戻すことができます。
この請求をするには譲受人に対して1カ月以内に取戻を請求しなければなりません。

 今回の記事では相続手続きをしなかった場合のリスクやデメリットを紹介させて頂きました。相続税の申告期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10カ月以内となっており、期限までに相続財産の整理や評価を行い、申告と納税を行う必要があります。
相続手続きは個々のケースによって異なり、手続きが複雑になることから専門家のアドバイスを受けることが重要になります。


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