一般的な相続手続きの流れ

Q:
私の夫が亡くなりました。相続人は、私(妻)と子供2人の3人です。
一般的な相続の流れを教えて下さい。



A:
夫の遺産を、一般的には、下記の手順により相続人であるあなたと子供に移転する必要があります。
1)相続人であることを確定させます。
2)遺産の内容・評価額の調査をします。
3)相続人全員で遺産分割協議書を作成し、名義変更・換価処分を行います。
4)必要な場合は、相続税の申告書を作成し相続税を納付します。

解説

1.戸籍謄本等を取得し、相続人を確定させる。 
戸籍謄本等は、⾦融機関などの⼿続先に対して、相続⼈であることを明らかにするために必要です。

2.遺産の内容・評価額の調査を行う
預貯⾦通帳・郵便物・権利書等を頼りに、どこにどんな財産がどのくらいあるか特定していきます。
相続税の申告が必要な場合には、預貯⾦や証券⼝座に預託する⾦融資産の残⾼証明書を取得し、不動産があれば固定資産税課税明細書や評価証明書等によりそれぞれの財産や数量等を把握することが必要です。

3.(必要な場合)相続放棄・限定承認の手続きを行う
相続放棄・限定承認を選択する場合、相続開始を知った日の翌日から3ヶ⽉以内に家庭裁判所で⼿続きを⾏う必要があります。

4.(必要な場合)準確定申告・納付を行う
被相続人に⼀定額以上所得があれば、相続開始を知った日の翌日から4ヶ⽉以内に準確定申告を⾏う必要があります。

5.遺産分割協議書を作成する
相続⼈全員が納得すれば法定相続分とは異なる分割でも有効です。
相続⼈全員で署名と実印を押印し、印鑑証明書を添付します。
不動産の相続登記や相続税の申告がある場合には、遺産分割協議書が必要となります。

6.名義変更・換価処分を行う
⾦融機関や不動産の名義変更をするために必要書類を提出することで、実際に相続⼈への名義変更や換価処分が⾏われます。

7.(必要な場合)相続税の申告・納付を行う
相続財産の合計評価額が相続税の基礎控除額(3000万円+600万円x法定相続人数)を超える場合、相続開始を知った日の翌日から10ヶ⽉以内に相続税の申告、納付⼿続きが必要になります。
評価額を減額できる税務の特例が適用できれば税額を抑えられるケースもあります。