「相続人不存在の場合の相続」について
「相続人不存在の場合の相続」について
Q 私は昨年、妻を亡くしました。私には子がおらず、父母・祖父母は既に他界しています。
兄弟姉妹もいません。この場合、私の財産はどうなりますか?
A 法定相続人がいない相続の場合、あなたの遺産は原則国庫に帰属されます。
もし、特定の者に財産を相続させたい場合は遺言書が必要になります。
遺言書がない場合、例えば、あなたの介護等に努めてくれた法定相続人以外の方が
「特別縁故者」として裁判所に請求し、認められれば、あなたの遺産の全部又は一部を受け
取れる可能性があります。
【 解 説 】
1.法定相続人がいない場合
法定相続人がいない場合、家庭裁判所によって選任された相続財産管理人が相続財産を管理し、当相続の相続人を捜索し、相続財産を精算する手続きを行います。
2.遺言書がない場合
例えば、自身の介護等に努めてくれた法定相続人以外の方がいたとします。
その方が特別縁故者として、相続財産の分与を裁判所に請求し、認められれば、相続財産の全部又は一部をその方が受け取ることができます。
ただし、この方法は請求すれば確実に財産を受け取れるものではありません。
3.遺言書がある場合
確実に財産を確実に受取る方法として、遺言書を作成しておくことが有効です。
4.遺言書の作成
遺言書の種類として、自筆証書遺言と公正証書遺言があります。
それぞれ次のような特徴があります。
自筆証書遺言 | 公正証書遺言 | |
---|---|---|
作成 | 自身で作成することができる。 | 証人2人以上の立会いのもと、公証役場で作成する。 |
費用 | 無償 | 有償 |
保管 | 自宅又は法務局で保管できる。 | 公証役場で原本保管される。 |
相続開始後 | 自宅保管の場合、裁判所の検認が必要。 | 法務局保管の場合、裁判所の検認は不要。 遺言の内容を公証役場で確認できる。 裁判所所の検認は不要。 |