借金でアパート建築したら相続税対策になるの?

借金でアパート建築したら相続税対策になるの?

Q  現在は放置している土地があります。 業者からその土地の上にアパートを建てる
ことを提案されました。そのような資金は手元にないのですが、ローンを組めば相続
税対策になるそうです。本当でしょうか?

A  よく検討されることをお勧めします。
借入金で更地にアパートを建築して賃貸した場合は、
・アパートの相続税評価額が下がり、更に債務となる借入金の残があれば控除でき相続税評価
額を下げることができます。
・ 現在更地となっている土地をアパートの敷地とすることで、土地の相続税評価額が下がります。
しかし、仮に相続税が下がったとしても、そのアパートの収益性に問題があるような場合には、負
の財産になります。この借入金を完済できる収益性があるのかをよく考える必要があります。

解 説
1) アパートの相続税評価額
貸家の用に供されている家屋の相続税評価額は、原則、以下の算式により計算します。   
  【貸家】 貸家の固定資産税評価額-(貸家の固定資産税評価額×借家権割合×賃貸割合)

2) 土地の相続税評価額
アパート用の敷地である場合、貸家建付地として、以下の算式により評価額を計算します。
【貸家建付地】 自用地評価額-(自用地評価額×借地権割合×借家権割合×賃貸割合)

3)事例
【アパート(貸家)】・固定資産税評価額 5,000万円・借家権割合30%・賃貸割合 100%(満室)
【借入金】・相続開始日現在の残高 7,000 万円
【アパート敷地】・自用地評価額 1億円・借地権割合 80%・借家権割合 30%

相続税評価額の計算
【アパート(貸家)】 5,000万円-(5,000万円 × 30% × 100%)=3,500万円
【アパート敷地(貸家建付地)】 1億円-(1億円 × 80% × 30% × 100%)=7,600万円
【借入金】 7,000万円
{相続財産の評価額合計} (3,500万円+7,600万円-7,000万円)=4,100万円
アパート敷地が、小規模宅地等の特例を適用できる貸付事業用宅地等の特例が適用される場合
更に、3,800万円(7,600万円 × 50%)を減額することができます。
宅地の自用地評価額 1億円の相続税評価額が、3,800万円(7,600万円-3,800万円)となる
ことになります。


このように、相続税額の軽減という視点では確かに得です。しかし一方で、相続人が今後借金 7,000万
円を完済できる収益性がそのアパートにあるのかをよく考えなければなりません。
アパートは、建築年数や立地などによって、なかなか入居者が決まらないケースもあります。収益性の
検討とともに、経年劣化による修繕費の発生などの維持管理費も考慮する必要があります。目先の相続
税対策だけに囚われることなく、総合的に考えることが肝要です。借金をしてまでアパート建築をすべきか
どうか、慎重に検討されるとよいでしょう。
その他の注意点もございますので、検討の際には専門家にご相談ください。