令和4年度税制改正大綱の「相続・贈与の一体化」

Q 令和4年度税制改正大綱の「相続・贈与の一体化」とは?

【 解 説 】
1) 改正案の趣旨
我が国の高齢社会に伴い、若年世代よりも高齢世代に資産が偏在している傾向があります。人生100年時代の到来により、相続による資産移転の時期は高齢期になり、若年世代への資産移転が進みにくい状況です。
相続税・贈与税は我が国の資産の再分配機能を果たす上で重要な役割を担っております。資産移転を促進するために、相続税・贈与税を撤廃しては、富裕層の子孫は代々裕福となり、格差を広げる要因となります。そのため、資産の再分配機能を確保しつつ、資産を若年世代に早期移転するような税制を構築することが重要になります。

2) なぜ相続と贈与を一体化させるのか
 現行法では、相続税と贈与税はそれぞれ独立した税体系として存在しております。贈与税では、相続税の累進回避を防止する観点から高い税率が設定されています。このため、相続財産が比較的少ない層の方は、生前贈与をすることに対して消極的になる傾向があります。一方、高額な相続財産を有する層の方にとっては、生前贈与を分散して行い、相続税の累進負担を回避しながら財産を移転することで、節税が可能となります。
諸外国では相続税と贈与税を一体的に捉えて課税する観点から、当改正案もそれに倣ったものといえるでしょう。当改正案は令和4年では先送りとなりましたが、ゆくゆくは諸外国と同様の税制になっていくと予想されます。
その他の注意点もございますので、検討の際には専門家にご相談ください。


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